第二回「吉岡デンタルオフィス歯内療法セミナー」まとめ
「根管洗浄、根管充填、穿孔」
根管治療とは
歯の根管の汚れを除去し、生体に無害な状態で根管を封鎖する治療
根の治療で、根管洗浄は重要な過程
根管洗浄とはNaOCl等で根管を洗う事
NaOCl(次亜塩素酸ナトリウム)
根管洗浄液として重要な3つの特性を備えている
1)有機物質を溶解する
2)強力な消毒薬である
3)低濃度では組織刺激性が最小限である
NaOClの組織溶解速度は薬液と組織の接触程度に依存する。
よって撹拌や超音波装置を利用する事で組織溶解の速度は速くなる。
象牙質の削片や有機物質などの酸化物質があると速やかに不活化されるので
根管治療中は溶液をたびたび補充し続ける必要がある。
NaOClはコラーゲンを破壊するが根管壁には殆ど影響を及ぼさない。
EDTA(エチレンジアミン四酢酸)
EDTAはカルシウム結合性を有し(キレート剤)スミヤー層の除去に有効である。
スミヤー層は象牙質の顆粒を含む有機物質の無構造な構造物であり、細菌性微生物をしばしば含んでいるが、
NaOClでは溶解されない。スミヤー層は消毒薬を中和し、象牙細管内への薬物の侵入を阻害する。
また、根管充填材の接着や浸透を妨げる。従って、NaOClと象牙質の軟化するEDTAの交互洗浄が推奨される。
その他の洗浄液
クロルヘキシジン
生体適合性があり、ヒドロキシアパタイトに結合すると抗菌作用の持続性が増す。
現在根管治療に置いて殆ど使用されていないが、それは主に組織溶解性が無いからである。
抗生物質を含む洗浄液
根管内の感染源を除去する為に抗生物質を含む洗浄液を用いる事は理にかなっている。
しかし、臨床研究によりその効果が限られたものである事が示されており、
感作や耐性菌の出現の危険性を合わせて考えると根管洗浄液として抗生物質を局所利用する事は適切でないと考える事が出来る。
根管洗浄
NaOClを使用する
根尖まで洗浄したい
根管形成が適切に行われなければならない
根尖孔から漏れる危険性があり
ラバーダムは必ず使用する
根管洗浄の問題点
根尖まで洗浄したい→事故を避けたい→根管上部のみ洗浄→根管がきれいにならない→治療の失敗
根尖まで洗浄したい→洗浄針を深く挿入→根管洗浄液の漏出→重篤な事故
根管内で洗浄液を吸引
根管先端で洗浄液を吸引する
根管内吸引洗浄法
Irrigation with Negative(INP)
安全な根管洗浄法
根管内で洗浄液を吸引
根管内吸引洗浄法
洗浄液の位置をモニタリング
電気的根管長測定
洗浄用ニードルを深く挿入
新しいニードルの開発(iNP40,60)
側方加圧充填法
メインポイントの決め方
タグバックのあるポイント
MAFと同じサイズである事は殆ど無い。大体1サイズか2サイズ上のポイントを選択する事になる。
#35以下のポイントではタグバックはあまり得られない
タグバック
ガッタパーチャポイントの先端径と根管の径の適合により得られる抵抗感
Warmed gutta-percha method
根尖の充填→ダウンパック
残りの根管の充填→バックパック
オリジナル法は技術的に難しく、時間がかかる
SystemBを用いると、簡便で短時間で実施可能だが、ガッタパーチャ内に空隙が出来易い
加熱ガッタパーチャ法は扁平な根管に有効→樋状根など
側枝に根管充填材が入る条件
側枝が開口している
X線写真に写る程の太さ
X線写真に写る方向にある
造影性のある材料
穿孔処置のポイント
診断
穿孔の位置、形態
穿孔封鎖の時期
根管充填前、後
材料の選択
GP CR MTA等
破折線、亀裂線の有無