2016年01月26日

最小限のアクセス

中々、教科書通りの根管形成て臨床では滅多にないのですが、たまたま他院から歯周病のオペをするからということで便宜抜髄の依頼があり、抜髄することになりました。

左上6番の抜髄をすることになりました。
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ちゃんと解剖学的な根管の形態がわかっていてマイクロスコープで抜髄すると以下のように小さなアクセスだけでできます。
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次にファイル試適のレントゲンです。
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このようにこれだけ少ない歯の切削量でも充分に根管にアクセスすることができます。


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大事なのは近心根管の湾曲に注意してこの湾曲をなくすように形成することが大事です。
湾曲を取ることでファイルの破折のリスクも少なくなりますし、根管洗浄も充分に行うことができます。

根管充填後のレントゲンです。
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2016年01月22日

今日の根管治療

ちょっと珍しいケースです。

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右上6の歯髄炎です。銀歯の下が虫歯になってました。


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この部分が虫歯になります。神経のあるところとにまで虫歯は達しています。


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銀歯を除去し、虫歯を取り除いていくと神経のある根管まで到達しました。


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このケースでも、MB根の入り口のところで象牙質が大きく張り出していたので超音波チップを用いて除去していきます。


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除去をしてMB根管を形成していくと根尖のところで3つに分かれていました。


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根管充填後のレントゲンです。3つに分かれているのがわかります。
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2016年01月21日

上顎6のMB2の形成その2

先日の続き。
これもよくあるケースですね。
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象牙質が大きく張り出してるケースです。この場合はこの象牙質を削除するとMB2が隠れていることが多いです。

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点線の部分で超音波チップを使って象牙質を除去していきます。

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除去し、ファイルを挿入するとMB2を見つけることができました。
前回のケースと同じように形成していきます。

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形成していくとMBと繋がっていました。このようなことも多いです。

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比較写真です。
ここでも大事なのは極力、分岐部側の歯質を削除しないようにすることです。
そのためには顕微鏡下で超音波チップを使って選択的に歯質を削除していくことが重要です。
こんなことは肉眼の治療ではまず無理です(^^;

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2016年01月20日

上顎6のMB2の形成その1

上顎第一大臼歯のMB2(第4根管)の出現率はだいたい6割くらいです。第2大臼歯になるとざっくり言うと半分くらいの割合ですが、根管形態に色々とバリエーションがあるので7の方がMB2の出現率が少ないから簡単だとは言えません。むしろ上顎7の方がはるかに難しい、、、。
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いわゆるMB2というのはこの表のType2,Type3になります。

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「症例」
開けて見るとこのように根管が見えてきました。まぁ、マイクロスコープで見るとこのように見えます。この画像を見たらすぐにMB2が見つかると思います。肉眼ではここまでは絶対に見えませんのでMB2がどこにあるかなんて見つけることは不可能に近いです。

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MB2はココですね。

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根管形成していきますとこのようになります。

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形成前と後の比較です。MB2から排膿してきてます。MB根を形成するときに注意してもらいたのですが、MB根の2根管は根分岐部側を極力削らないで近心側に歯質を落とすことが大事です。分岐部側の歯質はすごく薄いので安易に形成してしまうとあっという間にストリップパーフォレーションをしてしまいます。



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2016年01月19日

セミナーの講師

先日、「マイクロスコープ導入セミナー」で根管治療について講義と実習を担当させていただきました。

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10年のマイクロスコープの経験から、明日から導入してもすぐに治療に活かせるような内容を考えました。
参加者の先生方には好評だったようでホッとしております。
10年間の症例を振り返るいい機会になりました。人に教えるというのはいい勉強になりますね。
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2016年01月18日

今日の根管治療

大変遅くなりましたが。あけましておめでとうございますわーい(嬉しい顔)
本年もよろしくお願い致します。

今年最初のブログは根管治療から。

一年間、右下の奥歯の根管治療をしてて治らないとのことで来院されました。
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まず、レントゲンを見て思ったのが、根の形状が普通と違うよなぁ、、て。
近心にも問題がありますが、まぁ、ここはちゃんと普通に根管治療すれば治るかと思いました。

スクリーンショット 2016-01-17 21.11.56.jpg

おそらく主な原因はここの根にあるのではないかと。
で、これが何かというと、。

スクリーンショット 2016-01-17 21.12.21.jpg

同じ様な歯の模型がたまたま手元にあったので撮ってみました。これは遠心方向から見た模型です。
左側の根が少し外に飛び出して湾曲してるのがわかるかと思います。
こういった遠心舌側根はモンゴロイドに多いと言われてます。
最初のレントゲンを見たときにこの模型のような根管があるとわかったので、おそらくこの曲った根管にパーフォレーションがあるのではないかと思い、根管治療を開始しました。

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レントゲンと同じ方向から見るとこうなります。

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後ろに隠れているのが遠心舌側根です。

スクリーンショット 2016-01-17 21.13.13.jpg

問題の根管を開けてみると、何やら金属片らしきものが2つ確認できました。
破折ファイルが何と2本もあったのです。

スクリーンショット 2016-01-17 21.13.16.jpg
スクリーンショット 2016-01-17 21.13.17.jpg

二本とも除去。
除去後に根管を見てみると、。

スクリーンショット 2016-01-17 21.13.23.jpg

パーフォレーションしている部分と本来の根管が見えてきました。
ここまで出来れば後はパーフォレーションの部分はMTAでリペアし、本来の根管は通常通りの治療をちゃんとやれば治ります。

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根管充填後

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術前、術後の比較写真。
治っているのがわかるかと思います。
一年間治療していたのが2ヶ月ほどで治りました。

今回のケースのような遠心舌側根はかなり湾曲しているので解剖学的な知識を知らないとパーフォレーションをしてしまったり、ファイルを破折させてしまったりします。CTを撮らなくてもこのことを知っていたらレントゲンだけで判断できますし、一年間も治療することはなかったかもしれません。

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