大変遅くなりましたが。あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願い致します。
今年最初のブログは根管治療から。
一年間、右下の奥歯の根管治療をしてて治らないとのことで来院されました。

まず、レントゲンを見て思ったのが、根の形状が普通と違うよなぁ、、て。
近心にも問題がありますが、まぁ、ここはちゃんと普通に根管治療すれば治るかと思いました。

おそらく主な原因はここの根にあるのではないかと。
で、これが何かというと、。

同じ様な歯の模型がたまたま手元にあったので撮ってみました。これは遠心方向から見た模型です。
左側の根が少し外に飛び出して湾曲してるのがわかるかと思います。
こういった遠心舌側根はモンゴロイドに多いと言われてます。
最初のレントゲンを見たときにこの模型のような根管があるとわかったので、おそらくこの曲った根管にパーフォレーションがあるのではないかと思い、根管治療を開始しました。

レントゲンと同じ方向から見るとこうなります。

後ろに隠れているのが遠心舌側根です。

問題の根管を開けてみると、何やら金属片らしきものが2つ確認できました。
破折ファイルが何と2本もあったのです。


二本とも除去。
除去後に根管を見てみると、。

パーフォレーションしている部分と本来の根管が見えてきました。
ここまで出来れば後はパーフォレーションの部分はMTAでリペアし、本来の根管は通常通りの治療をちゃんとやれば治ります。

根管充填後

術前、術後の比較写真。
治っているのがわかるかと思います。
一年間治療していたのが2ヶ月ほどで治りました。
今回のケースのような遠心舌側根はかなり湾曲しているので解剖学的な知識を知らないとパーフォレーションをしてしまったり、ファイルを破折させてしまったりします。CTを撮らなくてもこのことを知っていたらレントゲンだけで判断できますし、一年間も治療することはなかったかもしれません。