他院で抜歯と言われ、当院に来院されました。

遠心根に大きな透過像があります。
正直、このレントゲンを見たら残すのは難しいと思ってもおかしくはないです。歯根破折によく見られるレントゲン像です。
僕も、これを見たときは遠心根は歯根が破折してるかなぁ、、、。これ抜歯だよね。と思いました。
ただ、実際に見たところ歯根破折に見られる限局的な歯周ポケットが見られなかったので一度開けて中をみてから残せるかどうか判断しようかと思いました。


遠心根菅を見ると破折線を確認できなかったので根管治療を開始しました。
遠心根菅の根尖には2つの根管口があるのが確認できました。

根管充填前です。白いのは根管貼薬に使用している水酸化カルシウムです。

治療開始から2ヶ月後のレントゲンです。

術前との比較。まだ完全に病変は治癒してませんが、かなりの改善がみられます。
ただ、このようなケースの場合、一見治ったように見えても破折してくることがあるので長期的な経過観察が必要です。