2018年06月05日

歯肉縁下カリエスのCR充填

ラバーダム防湿からの圧排というのを教えてもらってからこのテクニックは歯肉縁下の処置に有効な手段だというのがわかってきました。菅原先生曰く、現在このテクニックの名前を募集中だそうです(笑)

症例をひとつ。

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左下5にできた歯茎部の虫歯です。よく見ると歯茎の下まで虫歯が進行していました。それほど大きくはないのですが、治療するとなると従来の方法では虫歯の部分だけの治療は難しいので虫歯の部分にアクセスするためには多くの健全な歯質を削らなければなりません。このケースにおいては通常は型をとってインレーという処置になると思われます。

今回は虫歯の部分だけを顕微鏡下で除去し、ラバーダム防湿と歯肉圧排を用いて歯肉を押し下げ、CR充填に必要な空間を確保し唾液や浸出液を抑えることによって縁下のカリエスに対して確実なCRの接着をするという、、、、、とにかくマニアックで難しい治療をしました。

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カリエスを除去し

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ラバーダムをかけますが、このままでは歯と歯肉の境目が隠れてしまっているのでこの上から圧排糸を挿入していきます。

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このような状態でマトリックスなどは使わないでフリーハンドでフロアブルレジンを用いてCR充填をしていきます。
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充填後です。

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研磨の必要もないくらいに非常に綺麗に充填することができました。

但し、技術的に鬼難しいです!!

いままでラバーダムだけではCR充填をするスペースを確保することができなかったのですが、この方法だとCR充填をするスペース確保ができるので今まで接着させることが難しかった歯肉付近の処置に非常に有効なテクニックだと思います。
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posted by miro at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療
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